日本人の食事摂取基準(2025年版)が2024年10月11日に厚生労働省から開示されました。
これは、私たち日本人が何をどれくらい食べればよいのかという摂取量の基準値を示したものです。数値は5年ごとに改定が行われています。


令和7年度より施行される日本人の食事摂取基準(2025年版)では
どのような改定があり、またどんな基準値となっているのでしょうか。
最新の食事摂取基準を確認しながら、こどもたちの食事について考えていきましょう。


今回は乳幼児(0~5才)の食塩相当量(塩分)に関して解説します。
目次~こどもの食事と塩分~
◎こどもに減塩が必要な理由は?

◎2000年版と2025年版での変更点は?

◎2025年版 乳幼児の目標量

◎幼児の1食あたりの塩分量は?

◎これでOK!幼児食の減塩方法



◎こどもに減塩が必要な理由は?
【子どもには薄味を心がけて】とよく言われていますが、なぜでしょう。その理由は大きく2つあると考えます。
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・からだに負担をかけないため
子どものからだ、内臓機能はまだまだ未熟。
濃い味つけの食事は塩分だけでなく油や糖分も多くなら傾向に。
きちんと消化吸収ができずに、お腹が痛くなったり、下痢になったりと
体調不良の原因にもなりかねません。

・味覚を育てるため
味覚そして嗜好が形成される幼児期。
小さな頃から濃い味つけに慣れてしまうと、
素材のそのものの味を美味しいと感じることができなくなってしまいます。

塩分を多くとる生活を続けると
将来、生活習慣病をはじめとする様々な疾病を引き起こす原因にも。
子どもたちには私たち大人以上に、長い人生が待っています。
毎日どんな食事を続けていくのか、健康的な味付けを好む味覚を育てる必要があります。

◎2000年版と2025年版での変更点は?
こちらが2020年版と2025年版の食塩相当量の目標量です。
スクリーンショット (77)

この食塩相当量の策定方法は、2012 年の WHO のガイドラインが
成人に対して強く推奨している 5 g/日未満から算定されています。

最新の令和5年国民健康・栄養調査では
日本人の食塩摂取量は男性10.7g女性9.1gとなりました。
そう、5g/日未満というのは程遠い目標なのです。


より実現可能な目標値として、
今私たちが摂っている量
(正しくは前回の平成 30・令和元年国民健康・栄養 調査)
と、世界的に推奨されている5gの中間値が値が定められているのです。

先日セミナーに参加し、検討会メンバーの先生のお話を伺ったところ
目標量は下げたかったけれど、下げられなかったとおっしゃっていました。

現在の目標量が最適ということではなく、
私たちが目標に近づけられなかったため下げられなかったのです。
今後も更なる減塩を続けていくことが必要であるということですね。

◎2025年版 乳幼児の目標量
さて、改めて乳幼児の数値に注目してみましょう。
スクリーンショット (75)
0~5か月:0.3g未満/日
6か月~11か月:0.5g未満/日

1~2歳(男子):3g未満/日
1~2歳(女子):2.5g未満/日
3~5歳:3.5g未満/日


2025年版では1~2歳の女児だけ目標量が減っているのが気になりますね。
しかし、結論からお伝えすると気にする必要はありません。

小児に対しては、成人の値を参考にした上で体格(体重)を元に算出されています。
女児が異なって見えるのは、参照体格の差異によるもの。
ちなみに他の年代でも男女で差がありますよね。
数値は丸められるため、より差があるように見えてしまっているだけなのです。


◎幼児の1食あたりの塩分量は?
この目標値から
幼児食では1食当たり約1g未満が目標量となりますね。

私たち大人の目標量は
成人男性 7.5g未満/日
成人女性 6.5g未満/日
こってりラーメンをスープまで飲んだら、あっという間に1日分です。


そこから考える、味付けの目安量です。
離乳食期はごく少量 
1~2歳は大人の1/3程度 
3~5歳は大人の1/2程度 

いかがですか?
子どもの食事、普段から減塩ができていますでしょうか?
これは大人を基準としています。
そのため、私たち大人の食事も目標量を意識していきましょう!

◎これでOK!幼児食の減塩方法
ここから、幼児食の調理ポイントをご紹介しますね。
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★取り分けで減塩
汁物、煮物、炒め物は調味料を2回に分けて味付けをします。
例えば、みそ汁なら通常の1/3または1/2量の味噌を入れて、子ども用に取り分けます。その後残りの味噌を加えて大人用とします。
後から水を加えて薄めるよりも、だしや素材の味が活きるので美味しいですよ。

また、和え物などを作る際は少し時間がたつと下に調味料がたまります。

調味料を2回に分けるのが面倒!なときは
ボウルの上の方を子どもに取り分けるだけでも、減塩になりますね。


★ドレッシングやソースはかけるよりもつける
ドレッシングやソース、マヨネーズケチャップなどは小皿などに出すのが◎
ボトルごとを食卓に出すと、『やりたい!』が始まりませんか?
ドバドバ~!・・・となりがちです。

そんなときも、直接かけるのではなく
「小皿にだしてね」とお願いしてみましょう。


★主食の塩分を知ろう
食事の中でも一度に食べる量が多い『主食』の塩分量、ご存じですか?
ごはん、めん、パンの順に塩分が高くなっていきます。
ごはん(100g):0g
ゆでうどん(1/2玉):0.3g
食パン(6枚切り):0.7g


麺類はスープ、お惣菜パンとなるともっと塩分が高くなります。
麺類やパンがメインの食事が続くと、全体の塩分摂取量も高くなる傾向になりますね。
なにごとも、適量・適度にしましょう。


カンペキに、毎日数値を守る必要はありません。
しかし、数値を知っておくこと、意識するポイントを知っておくだけで
子どもたちとの食事に安心して向き合えるようになるはずです。

毎食をすべての料理を薄味にしなくちゃ!!と焦らないで。
おかずが濃い味だから、みそ汁はいつもより薄めにしよう
ハンバーグのソース、子ども用に拭ってあげよう。

そんなイメージで、気軽に始めてみてください。


味付けの目安量、覚えてもらえると嬉しいです。
離乳食期はごく少量 
1~2歳は大人の1/3程度 
3~5歳は大人の1/2程度 


不意に訪れるこどもたちの「ふりかけ」ブーム
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アンパンマン⇒ドラえもん⇒プリキュア⇒ポケモン
選ぶキャラと共に成長を感じます。

それにしても、子ども用の割には1袋の量が多いなぁ・・・と感じます。
「食べたい」気持ちに寄り添いつつ、【毎日必ず】にならないように。
ママと半分こしよう~!そんな声掛けをしつつ、適度に減塩しています。

みそ汁の薄め方動画です。
ぜひ参考にしてみてください^^

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管理栄養士  藤原朋未